粘着剤を使っていると、
「夏はちゃんと貼れてたのに、冬になったら付きが悪い」
「暑いところに置いたら、なんかベタベタしてきた」
みたいなことがあります。
これ、気のせいじゃなくて、粘着剤の粘弾性が温度によって変化することが大きく関係しています。
粘着剤は、完全な液体でも完全な固体でもなく、
「流れようとする性質」と「形を保とうとする性質」の両方を持っています。
温度が上がると、一般的には粘着剤が柔らかくなって、素材の表面になじみやすくなります。
そのため、初期の貼り付きが良くなることがあります。
ただし、柔らかくなりすぎると、
「貼ったあとにズレる」
「端からはみ出す」
「荷重をかけると徐々に動く」
といった問題につながることがあります。
逆に温度が低くなると、粘着剤が硬くなって、表面の細かい凹凸になじみにくくなります。
すると、
「いつもより貼り付きが弱い」
ということが起こる場合があります。
実際、工業用テープでも使用温度によって性能が変わるため、製品ごとに低温・高温での使用条件や耐熱性が設定されています。例えば3MのVHBテープでは、長期・短期それぞれの温度条件が示されています。
さらに面白いのが、温度変化そのものが問題になる場合です。
例えば、金属と樹脂を貼り合わせたとします。
金属と樹脂では、温度が変化したときの伸び縮みの量が違います。
夏に温度が上がって、両方とも少し伸びた。
でも、
「金属はこれだけ伸びる」
「樹脂はこれだけ伸びる」
と差が出る。
この差を粘着剤が吸収できるかどうかも重要になります。
実際にアクリルフォームテープなどでは、粘弾性を利用して異なる材料の熱膨張差を吸収する設計がされています。
つまり粘着加工では、
「何℃で貼るか」だけじゃなく、
「何℃の環境で使うのか」まで考える必要がある。
ということです。
「常温では問題ないから大丈夫」
と思っていても、
夏の車内。
冬の屋外。
冷蔵・冷凍環境。
製造工程での加熱。
こういう条件になると、粘着剤の性能が変わってくる可能性があります。
だから新しい粘着製品を作るときは、
どこに貼るのか。
どう貼るのか。
そして、何℃で使うのか。
ここまで考えておくことが大切です。
粘着剤って、温度ひとつでも結構性格が変わるんです。
こういう「環境まで考えた粘着加工」も、共和化成の得意分野です。
